地域ごとの待遇格差に注意

奈良県の介護の仕事は、介護人材の不足や事業所の新設などの影響により、求人数が年々増加しており、経験者はもちろん未経験者でも採用されやすい状況にあります。

一方、奈良県の介護事業所の給料は、同様のサービスを提供している京都や大阪など近県の事業所と比べて低く設定されやすいという大きな問題があります。そこで、一つの職場で介護職員として長く実務経験を積むにあたり、可能な限り待遇の良い職場を選ぶことが重要です。

例えば、大手の民間企業が運営している事業所の中には、奈良県内の人材を確保するため、基本給を近県と同程度までアップするだけでなく、精勤手当や資格手当などを新たに定めたり、年に2回以上のボーナスの支給をしたりするところもあります。ちょっとした待遇の違いでも、長年勤めれば大きな差になるため、待遇条件は慎重に見極めることが大切です。

また、奈良県の介護現場における介護職員の待遇の良し悪しは、事業所を経営する会社や社会福祉法人の経営状態だけでなく、事業所の立地や介護サービスの利用者の数などにも左右されることもあります。

一般的に、介護施設の数の多い奈良県の都市部では、好条件の介護職員の求人が多く、ベテランや介護福祉士の有資格者であれば、満足いく給料を得ることが可能です。その反面、山間部のような田舎エリアに立地している介護事業所では、介護サービスを求める人は多いものの、事業に必要な人数のスタッフが集まらないことにより、数年先の事業の見通しが立たない事業所も珍しくありません。先が見えない事業所では、満足に待遇を上げることができないのが現状です。

そのため、奈良県内で介護の仕事を探す場合は、地域ごとの介護事業の事情を早いうちに把握することが重要です。